アレルギー性鼻炎

花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ・鼻みずなどのアレルギー症状を起こす病気です。季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。

アレルギー性鼻炎は、原因物質(アレルゲン)の種類によって2つに分類されます。

アレルギー性鼻炎

季節性アレルギー性鼻炎(=花粉症)

原因となる花粉の飛ぶ季節にだけ症状があります。
主なアレルゲン:スギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、シラカバなど

症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状だけではなく、目の症状(かゆみ、なみだ、充血など)を伴う場合が多く、その他にノドのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどの症状が現れることがあります。

通年性アレルギー性鼻炎

アレルゲンが一年中あるので、症状も一年中あります。
主なアレルゲン:ダニ・家の中のちり(ハウスダスト等)・ゴキブリなどの昆虫、ペットの毛・フケなど。

症状:喘息、アトピー性皮膚炎などを合併することがあります。

花粉症と風邪の症状の違いは?

花粉症と風邪の症状の違いは?

花粉症と風邪は同じような症状が現れるので、勘違いすることがあります。
風邪はウィルスによる感染症の一種で、発熱とのどの痛みを伴います。また、水鼻は、数日で黄色い鼻汁に変わります。一方、花粉症は熱が出ることはほとんどありません。 また、くしゃみの回数も手がかりのひとつとなります。いきなり5回、6回もくしゃみが続く時は、花粉症の可能性があります。さらに、眼・鼻の症状に加え、のどのかゆみがあれば、 花粉症かもしれません。

季節性アレルギー性鼻炎には『初期療法』『導入療法』『維持療法』があります

初期療法

花粉症などのアレルギーは、症状が悪化すると薬が効きづらくなります。しかし、軽いうちに薬を使い始めると、花粉の飛散量が多くなった時期でも症状をコントロールしやすく、そのシーズンの症状を軽くすることができます。花粉の飛び始める前から症状を抑える薬(抗アレルギー薬)の使用を始める治療です。

導入療法

症状が強くなってしまってから始める治療です。経口ステロイド薬の一時的(一週間以内)な服用や、鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬)なども必要となります。

維持療法

初期療法や導入療法で症状が抑えられた状態を保つための治療です。第2世代抗ヒスタミン薬や、症状が重い場合には鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬)を使います。花粉の飛散中は治療の継続をお勧めします。

花粉症の治療には、『薬物療法 』『減感作療法 』『手術療法 』『舌下免疫療法』があります。

薬物療法

花粉症治療の中心になるのは薬物療法です。同じ働きを持った薬でも、様々な種類がありますので、自分の症状に合う薬を見つけて、毎年の花粉症シーズンにも慌てなくて済むようにしましょう。

減感作療法

特異的免疫療法ともいい、花粉症の原因となっている抗原を、少しずつ量を増やしながら注射をしていき、抗原に対する反応を弱めていく方法です。 2~3年という長い期間の治療が必要となりますが、唯一、アレルギーを治す可能性のある治療法と考えられています。

手術療法

主に鼻づまりの症状が強い患者様に対して行われます。鼻の粘膜(下鼻甲介)を切除して小さくする手術で、レーザー手術など、入院をせず外来で行える方法が普及してきました。症状が軽減し、花粉が飛散していない季節にお勧めします。

舌下免疫療法

舌の下に治療薬を置き、一定時間保持したあと飲み込む治療法です。これまでも、皮下注射による免疫療法で症状をおさえる公的保険適応のある治療法がありましたが、より副作用が少なく、注射の苦痛もなく、自宅で投与可能な舌下免疫療法は、新治療として平成26年10月に公的保険が適応されました。

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イラスト:ぞうのお医者さん
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